2012-01-01から1年間の記事一覧

Blenderで物理シミュレーション

フリーの3DCGソフトBlenderでは物理シミュレーションも簡単にできるらしい。 そこで、前回のエントリで作成したプリミティブ形状を、少し上の方から落下させる実験をしてみた。http://youtube.com/watch?v=0jRLfnA6ppU簡単にこのような動画ができてしまうこ…

塵劫記(じんこうき)の布盗人算(きぬぬすびとざん)

塵劫記(じんこうき)という江戸時代の算数書に記されている次のような問題を布盗人算(きぬぬすびとざん)と呼ぶらしい。 盗賊団の会話が橋の下から聞こえる。盗んできた反物(たんもの)を分配しようとしているようだ。 「7反ずつ分けると8反余るし、8反ず…

Blenderでレンダリング

Blender という無料で使える3DCGソフトウェアに挑戦してみた。■ Blender.jp - Blender Japanese Website一般的なWindowsアプリケーションとは全然使い勝手が違って、悪戦苦闘。 第一印象は、なんだこれは!? といった感じ。それでも、どうにか立方体や球な…

2012年ブログのまとめ

少し早いけれど、そろそろ2012年も終わりが近いので、このブログについてまとめてみる。■ エントリ数エントリ数は、この記事を含めて107だった。あと一件で煩悩の数。■ アクセス数アクセス数は2012年になってから18万5千ほど。 最近では、平日は約1200件ほど…

Gom Playerの便利なショートカット

動画再生用アプリケーションとして、広く使われている Gom Player には、予め指定しておいた場面から再生する[ブックマーク機能]がある。 特定の場面から再生したいときにオロオロする必要が無くなるので便利。ただし、再生を止める場面は指定できない。■ ブ…

微分方程式の図解

次のWebページが話題になっている。■ 微分方程式を図解する (前野[いろもの物理学者]昌弘) http://irobutsu.a.la9.jp/mybook/ykwkrMC/sim/DE.html 「一階常微分方程式」(dxと dyの関係が与えられた時、xと y の関係を求める方程式)の様子が わかりやす…

群・環・体

小学校から学んできた足し算、掛け算などのような、数と演算の世界を代数系と呼ぶ。 群、環、体の理論は、この代数系の性質を調べるための理論。例えば、整数の加減乗除について、改めてこれはどのような代数系なのだろうか、ということを考える。 でも、整…

4次元の立方体の理解

「4次元の・・」という言葉を見ただけで、ああ、もう理解できるわけがない、と拒絶反応を起こすのが普通かもしれない。 でも、そんなに難しく考える必要はない。0次元の点、1次元の線、2次元の平面、3次元の立体、と1つずつ次元を上げて行って、もう一つ次元…

WindowsのPATHの設定を復元する

Windows7で、あるソフトウェアのインストーラがPATHの設定内容を書き換えてしまって困った。 次の方で復元できたので、そのメモ。(1)「コントロール パネル→すべてのコントロール パネル項目→システム→システムの詳細設定→システムの保護→システムの復元」 …

ネイピア数

次の記事がとても面白い。■ クレオパトラの最後の吐息の一部を今あなたが吸い込む確率に驚くべき | 読書猿Classic: between / beyond readers http://readingmonkey.blog45.fc2.com/blog-entry-632.html読書猿氏のエントリは、1つ1つがとても丁寧に書かれて…

黒板風の作図

数学に登場するグラフなどの図を、もう少し親しみやすく描けないものかと思って、 こちらの「チョークの質感のブラシセット」を使ってみた。■アナログ風なデザインに使えるチョークブラシ | MaterialandEx http://www.materialand-ex.com/?p_mode=item&p_pha…

正規分布とシグマ

正規分布は、次の式で表される。σ は標準偏差 μ は平均一般常識として、標準偏差σ(シグマ)と次の確率の関係は知っておくとよい。 平均 ±1 σ 内に収まる確率は 68% 平均 ±2 σ 内に収まる確率は 95% 平均 ±3 σ 内に収まる確率は 99.7% 統計数字を疑う なぜ実…

グラフのエラーバー

[キーワード]棒グラフ、平均、標準偏差、標準誤差、信頼区間、エラーバーある集団ごとの平均値を比較する棒グラフには、グラフ先端の上下に工の字の「エラーバー」を描くことが一般的。このエラーバーは、データのばらつき、データに含まれる誤差、または信…

変分法

変分法とは、値を最小とする最適な関数を求める方法。通常の最適化問題は、 の値を最小とするxの値は?のように、値を最小とする最適な変数を求めるけど、変分法では最適な関数(式の形)を求めることが目的になる。 例としてよく挙げられる問題に 適当な2点…

極座標とラプラシアン

ラプラシアンとは直交座標系における2階の微分作用素で、3次元では次のように表される。 これを3次元の極座標で表すと次のようになる。 この導出については、ネット上でさまざまに紹介されているが(例:Laplacian と極座標(PDF))、その手順は煩雑で、自分…

人生生涯小僧のこころ

人生生涯小僧のこころ作者: 塩沼亮潤出版社/メーカー: 致知出版社発売日: 2008/03/10メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 29回この商品を含むブログ (37件) を見る奈良県吉野山の金峯山寺蔵王堂から大峯山までの往復48キロ、高低差1300メートル。 これを16…

数学教科書紹介「数学:物理を学び楽しむために(田崎晴明 著)」

物理の学習をするために、数学の知識は必須であり、大学に進学してから学ぶべきことは多い。 そのための知識を効率的に学べるように編纂された数学教科書のPDFファイルが、次のページで無料で公開されている。■ 数学:物理を学び楽しむために (学習院大学 …

ベクトルの微分

ベクトル を変数とする関数 について、fのでの微分は次のように定義される。 ベクトルの微分について、以下が成り立つ。 (Aをn×n行列、Bをm×n行列、aをn×1ベクトルとする)(1) (2) (3) (3)番目の式は、Aが対称行列の場合は次のようになる。 (3') 参考:統計…

放射基底関数(Radial basis function, RBF)

放射基底関数、英語でRadial basis function、略してRBFは、言葉として見ると難しそうだけど、 実際は何のことはない「距離に基づいて値が決まる関数」のこと。変数xの原点からの距離を||x||で表せば、次のようになる。 φ(x)=φ(||x||)代表的なのがガウス関数…

2次形式・二次形式

のように、次数が2の多項式で表される式の形を2次形式と呼ぶ。この形で表される多項式は、ベクトルと行列の演算を使って の形で表すことができる。ここで、 である。実際に であることを簡単な計算で確認できる。一般化して とすれば、 である。たとえば の…

Wordで数式を効率的に入力する

Microsoft Office の Word では「数式ツール」を使って数式を入力できる。 普段からTeXで数式を入力することに慣れていると、この数式ツールのボタン操作が煩雑でたまらない。でも、実はボタン操作をしなくても、簡単なコマンドでいろいろな数式を入力できる…

重力とは何か

重力とは何か アインシュタインから超弦理論へ、宇宙の謎に迫る (幻冬舎新書)作者: 大栗博司出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2012/05/29メディア: 新書購入: 4人 クリック: 196回この商品を含むブログ (63件) を見る知的好奇心を大いに刺激してくれる良書。 …

iPS細胞物語(文部科学省)

京都大学の山中伸弥教授がノーベル生理学・医学賞を受賞したというニュースはとても喜ばしい。 これを機に、iPS細胞とはそもそも何なのか、どのような技術なのか、興味を持った方も多いだろう。文部科学省には「iPS細胞等研究ネットワーク」というものがあり…

ガウス写像(Gauss Map)

ガウス写像とは、曲面上の点を単位球の表面のある点に対応付ける写像のこと。 具体的には、曲面上の点における単位法線ベクトルの始点を原点に移動したとき、その単位法線ベクトルの終点の位置に対応付けられる。と、言葉で説明しても分かりにくいけど、下の…

線織面と可展面

■ 可展面について歪みなく平面に展開できる曲面を可展面と言う。 紙を曲げて作ることができる曲面が可展面である。と言うこともできる。可展面には、柱面、錐面、接線曲面という3種類の曲面がある。平面も可展面の1つである。可展面は、線織面(ruled surfac…

海外旅行・出張で知っておくといいこと

しばらく海外出張で更新が滞ってました。 今の自分には当たり前だけど、渡航経験が少ない時には知らなかったなぁ、という豆知識を挙げてみる。 1つか2つでも皆さんのお役にたてば。1. 帰国前に滞在先の現金(コイン)を全部使い切る方法 手元にコインを含む…

等角写像

まずは2次元に限っての話。 写像によって、ある図形が他の図形に写される。 このときに、元の図形に含まれる2つの直線の成す角度が、写された後でも変化しない写像を等角写像(conformal transformation, conformal map, angle-preserving transformation)と…

数え上げの話

このブログでも紹介した動画「『フカシギの数え方』 おねえさんといっしょ! みんなで数えてみよう!」がネット上で、大きな話題になっている。 おねえさんが、ひたすら場合の数を数え続ける様子は、現実ではありえないながら、なぜかついつい見入ってしまう…

数列の百科事典 OEIS

昨日のエントリで、「Self-Avoiding Walk」として知られる問題の解が、 2, 12, 184, 8512, 1262816, 575780564, ... という数の並びになること、そして現在では n=19 までの解が知られていることを紹介した。そういう情報はどうやって調べるの? Web上には T…

組み合わせ爆発のはなし

YouTube 上に公開された 「『フカシギの数え方』 おねえさんといっしょ! みんなで数えてみよう!」 という動画が話題になっている。http://youtube.com/watch?v=Q4gTV4r0zRs下の図のようなNxNの格子を用意して、左上のスタート地点から、右下のゴール地点に…