アインシュタインの縮約表記

2つの2次元ベクトル
 \vec{A}=(A_1, A_2)
 \vec{B}=(B_1, B_2)
があるとき、この2つのベクトルの内積は次のように表される。

 \vec{A} \cdot \vec{B}=A_1 B_1 + A_2 B_2


ベクトルが3次元で
 \vec{A}=(A_1, A_2, A_3)
 \vec{B}=(B_1, B_2, B_3)
であるときは、この2つのベクトルの内積は次のように表される。

 \vec{A} \cdot \vec{B}=A_1 B_1 + A_2 B_2 + A_3 B_3


書くのがめんどくさいね。
こんなの、毎回毎回書いていられないね。


和を表すΣの記号を使えば、次のように表すことができる。


 \vec{A}\cdot\vec{B}=\sum_{i=1}^{3} A_i B_i


少しは短くなった。でも、やっぱりΣ記号はめんどうだ。
毎回毎回、こんなの書いていられないね。


もう、こういう頻出する表現は、次のような簡単な表記方法にしちゃおうよ。


 \vec{A}\cdot\vec{B}=A_i B_i


これでいいじゃん。
と言い出したのが、あの相対性理論を考え出したアインシュタイン


なるほど、少しでも表記を簡単にして、より簡潔に物事の本質に迫ろうとしたわけだ。


これを「アインシュタインの縮約表記」と言う。
「添字が同じ場合は、その添字について和を取る」というルールになっている。

例えば

 A_i B_i = A_1 B_1 + A_2 B_2 + \cdots + A_n B_n

nの値がいくつになるかは、そのときの文脈から判断する。
今は3次元の話をしているんだから、いちいちn=3なんて断らないよ。めんどうだから。
という感じ。


 a^{\mu}b_{\mu} = a^1 b_1 + a^2 b_2 + \cdots + a^n b_n

のように書き表すこともある。



内積を表すには、アインシュタインの縮約表記で事足りるけど、外積を表したりするにはちょっと足りない。

そこで、
クロネッカーのデルタ
エディントンのイプシロン(レヴィ=チヴィタ記号)
の2つも併せて知っておきたい。


以下のページは、アインシュタインの縮約表記と上記の記号についても、とてもわかりやすく説明している。
電磁気学講義ノート:マクスウェル方程式のためのベクトル解析 (1)内積・外積の計算を簡素化 - 主に言語とシステム開発に関して



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