Excelを使った正規分布する乱数の生成

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■目的
ダミーの実験データを作る場合などに、正規分布に従う乱数を得たいことがある。
ここでは、Excelを使って、そのような乱数を生成する方法を説明する。

■RAND関数
Excelに備わっている乱数先生関数RANDを使用すると0から1の間で一様分布する乱数が得られる。

■NORMINV関数との組み合わせで正規乱数を得る
次のようにRAND関数とNORMINV関数を組み合わせると、平均値と標準偏差を指定した正規分布する乱数(正規乱数)を得られる。
=NORMINV(RAND(),平均値,標準偏差)

例:平均0、標準偏差1で正規分布する乱数は次のようにする。
=NORMINV(RAND(),0,1)

上記の乱数を500個生成した分布図は次の通り。正規分布の形を見て取れる。

■(おまけ)NORMINV関数とは
Excelのヘルプによると「指定した平均と標準偏差に対する正規分布の累積分布関数の逆関数の値を返す。」
わかりにくいので、もう少し噛み砕いてみる。
正規分布の累積分布関数とは次のような形で表される。

通常は横軸のxの値から、縦軸の累積分布関数の値を求めるが、NORMINV関数は「その逆関数」なので、縦軸から横軸の値を求めることになる。
縦軸に一様分布する乱数を取ると、それに対応するx軸の値が正規分布になる。
これは下の図から直観的に理解できる。

縦軸の値を一定間隔で取ると、それに対応するx軸の値は、0付近で一番密度が高くなる。ゼロを平均とした正規分布になっている。

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