ガウス積分とガウス分布

次のxの式はガウス関数と呼ばれる。

この式は確率・統計、物理のさまざまなところに登場する。

自然対数eの右肩にごちゃごちゃ書くと見にくいので、次のような表記をすることも多い。

どちらも同じで、このような式を見たら、まずは下のような釣鐘型の曲線を、パッと頭にイメージできるようにすることが最初の一歩。

Googleに「e^(-x^2)」と入れて検索すれば、上のようなグラフが出てくる。

この曲線は、正規分布確率密度関数の形をしている(正規分布は「ガウス分布」とも呼ばれる)。

不思議なことに、この関数の値を-∞から+∞まで積分すると、ちょうど\sqrt{\pi}となる。

すごいね。

これを確率密度関数として扱うには、積分した値がちょうど1になって欲しい。
なので、元の関数に\frac{1}{\sqrt{\pi}}を掛けてあげれば次のようになる。


こんどは、exp表記を使った。

標準正規分布(分散を表すσ^2の値が1である正規分布)のとき、この式の-x^2の部分が-\frac{x^2}{2}で表されるから、分母に\sqrt{2}を掛ける必要があって(置換積分の考え方)次のようになる。

そんなわけで、標準正規分布と呼ばれるものの確率密度関数は、次のように分母に\sqrt{2\pi}が含まれることになる。

このようなガウス分布の形がどのくらい大事かというと、ドイツの紙幣のデザインに使われたことがあるくらい大事。

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