クラウド時代の人海戦術 Amazon Mechanical Turk
はてなブックマークで次の記事が話題だ。
■ASCII.jp:日本生まれのクラウドノート「KYBER」がすごい理由
http://ascii.jp/elem/000/000/635/635625/
ノートに書かれた手書き文字をデジタル化するサービスが提供されているのだが、その裏側では膨大な数の中国人による人海戦術でOCR(文字認識)作業が行われているという内容。
驚きの声も多いが、コンピュータに苦手な処理は人間にやらせてしまおう、という考えは合理的で、このような考えに基づくサービスは既にある。
例として、2005年ころからAmazonが提供を開始している Amazon Mechanical Turk(Amazon メカニカルターク)が有名だ。
「人間なら簡単にできる」「大量の仕事」を「時間をもてあましている」「大量の人間」に分散して与える、という考えでサービスが構築されている。
今回の文字認識のように、画像を見て判断することが要求される仕事には適している。
最近では、学術研究の評価で必要となるユーザテストに、Amazon Mechanical Turk を活用した例が散見されるようになり、知名度は高まっている。
■米Amazon.com,人間の判断力を活用する新サービス「Amazon Mechanical Turk」(IT PRO 2005/11/11)
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/USNEWS/20051111/224397/
例えば、次の記事では「大量の顔写真から男性だけを選択する」という目的でAmazon Mechanical Turkを活用した例が紹介されている。
3万件の依頼がわずか 6000円で1時間で完了した!という興味深い内容が紹介されている。
■ 今度は10万件の画像フィルタリングを Amazon Mechanical Turk に依頼してみた(管理人@Yoski)
http://blog.myrss.jp/archives/2009/03/10_amazon_mecha.html
逆に、Amazon Mechanical Turk で「働く側」に参加したけど1時間がんばって百円程度にしかならなかった、という話を聞いたことがある。
経済的に恵まれた日本から使用する場合は、ネットの向こう側に居る大量の人材を「利用する側」になった方が合理的だろう。
参考:Amazon Mechanical Turk
https://www.mturk.com/mturk/welcome
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