フラクタル

自己相似性をもつフラクタル図形は、どれだけズームしても果てしなく同じ形状が現れる不思議な図形。
フラクタル図形の代表例としてジュリア集合やコッホ曲線はあまりに有名だ。


フラクタルには、2次元の図形だけではなく、3次元の図形もある。例えば、「メンガーのスポンジ」と呼ばれる、立方体を基本とする図形などがある。

フラクタル図形の幾何学的な性質を表す値として、ハウスドルフ次元と呼ばれるものがある。
点は0次元、直線は1次元、そして平面は2次元。普段、我々が認識する普通の「次元」と同じだが、フラクタルについては異なる。

通常、1次元の図形を2倍に拡大すると長さは2倍(2の1乗)になり、2次元の図形を2倍に拡大すると面積は4倍(2の2乗)、3次元の図形を2倍に拡大すると体積は3倍(2の3乗)になるが、フラクタル図形の場合はこれが当てはまらない。2のN乗の、Nの値が整数以外の値も取ることになる。

有名なフラクタル図形の、ハウスドルフ次元は次の通り。


Feigenbaum attractor 0.538次元


コッホ曲線 1.2619次元


ドラゴン曲線の輪郭 1.5236次元


シェルピンスキーのギャスケット 1.5849次元


マンデルブロ集合 2次元


ジュリア集合 2次元


ドラゴン曲線 2次元


メンガーのスポンジ 2.7268次元


Mandelbulb 3次元

面白いことに、このハウスドルフ次元は、実在する物体についても測定によって求めることができる。

ロッコリ 2.66次元


ヒトの脳の表面 2.79次元


肺の表面 2.97次元



参考:
そらはうたたね:不思議な次元
List of fractals by Hausdorff dimension

カオスとフラクタル―非線形の不思議 (ブルーバックス)

カオスとフラクタル―非線形の不思議 (ブルーバックス)