ローマ人の物語 文庫本全43巻
塩野七生著のベストセラー単行本「ローマ人の物語(全15刊)」の文庫本シリーズ。
1200年におよぶ長い長いローマの歴史の始まりから、その衰退と終焉までをつづった大著。
国が興るということはどういうことか。国を護るということは、そして国を維持し、繁栄させるということはどういうことか。
そういったことを全巻を通じて考えさせられる。
国の存亡をかけた隣国との争い、戦争、は人類の歴史上、避けて通れないものであることを再認識させられる。
国を治めるということは、民族のまさに命がけの戦いなのである。
ローマのために武器を取って命を賭して戦うことがローマ市民の義務であった。
そして、多くの優れた指導者が国を導き、繁栄を築き上げた。
国を護るために、ローマの人々がどのように考え、どのように行動したのか、2000年以上も前のできごとが、活き活きと綴られている。
過去に栄えた遠い地の国の話が、ここまで具体的に克明に記録されている事実に驚かされるとともに、文面からは、著者の塩野七生氏は、本当にローマが好きなんだなぁと感じさせらる。
少しずつ読み進めて、つい先日、ようやく文庫本シリーズ全43巻を読了した。
ローマの勃興から衰退、消滅までの歴史、つまりは人と国家のありようを、じっくり見て、考えることができた。