写像と重積分とヤコビアン

大学に入ってから複数の変数で積分を行う積分というものを学習する。

積分を解く際に、変数変換を行った方が簡単な場合があり、そのときに次のような公式が出てくる。
( (x, y) の式を (u, v) の式に変換した場合)

さて、この J(u, v) はなんだろう?

積分における変数変換とは、別空間へ写像を行って、写像した後の領域で積分を行いましょう。というもの。
写像の前後では空間が伸び縮みするので、その伸び縮み分を打ち消すためにくっついているのが J(u, v) だ。

高校の時には次の変数変換(置換積分)の公式を学習した。

うしろにくっついている x'(t) は何であったかと言うと、これも座標の伸び縮みを打ち消すための値だった。

積分の場合、扱う空間が2次元または3次元となるので、伸び縮みの表し方が少し複雑になる。
しかし結局、重積分の変数変換の公式にくっついている J(u, v) も、これと同じようなものだと考えることができる。

このJ(u, v)は、ヤコビアンと呼ばれ、次のようにあらわされる。

つまり、ヤコビ行列の行列式だ。
ここまでで、ヤコビアン写像による伸び縮みを表すのだな、と納得して公式として覚えるのもありだろう。

でも、やっぱりどうしてヤコビアン写像による伸び縮みを表すの?
納得できない。


そんな疑問については、
次のPDFファイルがおすすめだ。
Webで検索するといろいろ出てくるが、これはとてもわかりやすくまとめられている。

■ 重積分の変数変換 (Written by Shintaro Watanabe)
http://www.10days.org/trans_vars.pdf



■ 参考
http://www.th.phys.titech.ac.jp/~muto/lectures/Amath06/am_chap06.pdf
ヤコビアン(ヤコビの行列式)についての補足 JO3KRPの独り言/ウェブリブログ
外積の大きさについて 新潟工科大学情報電子工学科 竹野茂治

微分積分

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物理のための数学 (物理入門コース 10)

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