ド・モアブルの公式とオイラーの公式

■キーワード:複素関数極形式、ド・モアブルの公式、オイラーの公式三角関数、倍角の公式、3倍角の公式、加算公式

大学数学で学習する複素関数極形式表現では、次の「ド・モアブルの公式」が登場する。

とてもシンプルな形なので覚えるのが簡単で、なおかつとても便利な公式だ。
ひとつの活用方法として、これさえ知っていれば高校数学の範囲で苦労して暗記した、三角関数の倍角の公式、3倍角の公式などが簡単に導けてしまう。

試しに、倍角の公式を導いてみる。

ド・モアブルの公式にn=2を代入した左辺は

右辺は

となる。左辺と右辺では、実部と虚部がそれぞれ等しいことから、次の倍角の公式がただちに導ける。

続いて3倍角の公式を導いてみる。

先ほどと同様に、ド・モアブルの公式にn=3を代入して、左辺は

右辺は

となる。左辺と右辺では、実部と虚部がそれぞれ等しいことから、次の3倍角の公式が成り立つ。


次のオイラーの公式を使えば、三角関数の加算公式も容易に導ける。

オイラーの公式

とおけば

また次のようにも変形できる。

上記2式の実部と虚部がそれぞれ等しいことから、次の加算公式が成り立つ。




複素関数 (理工系の数学入門コース 5)

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