入試数学 伝説の良問100

入試数学伝説の良問100―良い問題で良い解法を学ぶ (ブルーバックス)

入試数学伝説の良問100―良い問題で良い解法を学ぶ (ブルーバックス)

大学の入学試験で出された数学の問題から選び抜かれた良問100題を紹介。
受験時代を懐かしみつつ、改めて現在の自分の数学能力を知るべく問題にチャレンジするのもいいし、
なぜ「良問」なのか、著者の解説を読んで楽しむのもいい。
または、このような問題を作り出す、作問者(大学の数学の先生だろうか)の工夫と秘められた意図に思いを馳せるのも楽しい。

いろいろな楽しみ方ができる。

1998年に東大・後期で出された入試史上最大の難問については、予備校教師だからこそ知れる裏話が紹介されていて面白い。

問題入手のとき、A予備校では解答作成を中断、帰宅することになったと聞かされた。最悪、翌日も解けないときはどうするかも話し合ったらしい。
・・・
フランスに長期滞在中の友人C(大学助教授)とメールで連絡を取り、概要を説明し、解くことにした。

高校数学の範囲で解ける問題と言っても、決してあなどってはいけないという好例か。

そしてまた、「高校数学」の範囲が時代とともに狭まり、良い問題を作る余地も小さくなりつつあることを著者が嘆いている様子を行間から読み取ることができる。