ラプラス方程式(2)

以前のエントリ「ラプラス方程式」の補足(一部繰り返し)。


ラプラス方程式とは、次の形で表される2階線形の偏微分方程式

\frac{\partial^2 \varphi}{\partial x^2} + \frac{\partial^2 \varphi}{\partial y^2} + \frac{\partial^2 \varphi}{\partial z^2} = 0

ここで、\varphi はx,y,zを変数とする関数。


2階の偏微分を表すラプラス演算子\Deltaを使うと、次のように極めてシンプルに表現される。
\Delta \varphi = 0
要するにラプラス演算子を適用するとゼロになるような関数を求める」という問題がラプラス方程式


この「ラプラス演算子を適用するとゼロになる」とは、つまりどういうことかと少し乱暴に言ってしまうと、ある点の値がその周囲の値の平均と一致するよ。ということ。つまり、全体として滑らかということ。


x,y,zを変数とする3次元の関数だと図にすることが難しいので、x,yを変数とする2次元の関数として、その値を高さ方向に取ると図を見て理解しやすい。

例えば、次のように周囲が0度で内部に30度とマイナス20度の領域があったとする。

この時、内部はどのような温度分布になるだろうか。という問題が、ラプラス方程式を用いて解ける、典型的な例題となる。
その結果は次の図のように可視化できる。


(図の出展:偏微分方程式(ラプラス方程式)


つまり、ラプラス方程式とは「ある条件を満たしながら、それ以外のところでは値が滑らかに変化するような関数を求めましょう」ということができる。

このラプラス方程式の解となる関数を調和関数(harmonic function)と呼ぶ。

与えられる条件は、領域の境界に設定されるので境界条件と呼ぶ。

先ほどの図の例のように、境界の値が設定されている問題を「ディリクレ問題」と呼ぶ。
図を見てわかるように、条件として与えられる境界での値が最大・最小となって、領域内では、その間の値を取る。
境界の値がすべて同じ値に設定された場合、領域内部は平坦になって、すべて同じ値になる。


境界の値が与えられるディリクレ問題に対して、境界での微分値(傾き)が条件として設定されている問題を「ノイマン問題」と呼ぶ。


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