ゲーミフィケーション:ゲームで問題解決
ゲームプレイヤーが科学的な問題を解いてしまったという話がネット上で話題だ。
■ゲーム愛好者らが酵素の構造を解析、米研究 (AFPBB News)
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/it/2828876/7797437
科学者が解けなかったタンパク質の折りたたみ構造の解析問題を、ゲームに落とし込み一般公開したところ、それを楽しんでプレイする多数の参加者によって、コンピュータで求めたものよりも優れた解が求まったというもの。
このゲームはFold it という名称で、Wikipediaでは次のように紹介されている。
Folditははじめ、単純なタンパク質に似せた構造をプレイヤーに示し、それを解くうちに、より複雑な本物のタンパク質に基づいたパズルを提示される。Folditの画面には、ユーザーが操作できるタンパク質の構造が立体的なグラフィックとして表示される。
示されたタンパク質構造を操作すると「スコア」が示され、より妥当な構造予測に近いほどスコアが高くなる。ハイスコアを記録した構造は保存され、Folditのユーザー同士で作ったグループの間で、パズルの回答を共有してお互いに協力しあうことが出来る。
実際のプレイ画面の様子はYouTubeで見ることができる。
このように、ゲーム以外の領域に、プレイヤーを楽しませて没頭させる要素を活用して問題を解決する手法を「ゲーミフィケーション(gamification)」と呼ぶ。
この考え方自体は新しいものではなく、以前からあったもので、近年になって広い分野で注目されるようになっている。
今年のCEDEC2011で深田浩嗣氏が講演したスライドがこちらで公開されている。
とてもよくまとまっていて、「ゲーミフィケーション」という言葉を初めて目にする人にもわかりやすい。
■ CEDEC 20110907 ショートセッション マネタイズとゲーミフィケーション
http://www.slideshare.net/fukadakoji/cedec20110907?from=ss_embed
現在、世界ではオンラインゲームに週30億時間が費やされていると言う。
この膨大なエネルギーの一部でも、現代社会の抱える問題解決に使うことができれば、我々の生活をよりよくすることが可能だろう。
それを実現するためのキーワードとして、ゲーミフィケーションが注目を集めている。
□参考情報
・ゲームで社会をよくする「ゲーミフィケーション」 (日経新聞 2011/3/3)
・TED Talk Jane McGonigal: Gaming can make a better world
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