Powers of Ten
過去に2つのエントリでフラクタルについて紹介した。
形の一部分を、どこまでも果てしなく拡大し続けることができ、いつまでも同じ複雑さを持ち続け、時には同じ形が再び表れる不思議さ。
フラクタル図形は言葉で表すことが難しい神秘さを持つ。
まだ動画を見たことが無い方は、是非、上のリンクから動画を1つでも見てみて欲しい。
フラクタル画像をひたすらズームし続ける映像を見たときに、だいぶ以前に見た「Powers of Ten」の映像を思い出したので、ここで紹介したいと思う。
この映像は、公園に寝転がっている男性の姿を真上からとらえたシーンからスタートする。これは縦・横が1m×1mの範囲を見せている。その後、カメラは少しずつ上空にのぼり、10m×10mの範囲を映す。その次は100m×100m、その次は1000m×1000m・・・。このようにして、やがては10の24乗メートルという宇宙の果てに至るまでの膨大なスケールの空間を俯瞰することになる。
続いてカメラはこれまでの軌跡を逆にたどり、ついには1m×1mの範囲を映すまでに戻るのだが、ここからさらに映像は拡大を続け、0.1m×0.1m、0.01m×0.01mとミクロの世界へと突入する。最後には10のマイナス16乗という素粒子のスケールに到達する。
想像力を刺激される映像であるとともに、宇宙スケールの巨大なシーンと、原子レベルのミクロスケールのシーンが、予想外の共通点を持つことにも驚かされる。
手塚治虫の火の鳥「未来編」には、宇宙の構造とミクロの構造が永遠にループするシーンが描かれていて、このPowers of Tenとの共通点にハッとさせられる。
10のマイナス16乗〜10の24乗という、途方も無いスケールの違いを可視化できるようになった現代の技術に感心するとともに、宇宙とミクロの世界の構造の神秘にも心を打たれる。
Powers of Ten のオフィシャルサイトは次のURLで、Web上で好みのスケールのシーンを見ることができる。
■ http://www.powersof10.com/
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