数学:Wolfram Alpha

Wolfram Alphaは、技術・科学計算ソフトMathematicaの技術をバックグランドに持つ新しいタイプのナレッジエンジンだ。Wolfram社から2009年に公開され、まもなく2年が経つ。

上図のようなWolfram Alpha の入力フォームにキーワードまたは質問文を入力すると、その結果が表示される。このWolfram Alpha の独特な点は、Googleのようにデータベースから「検索」するのではなく、答えを「計算」して表示するという点だ。
例えば、「z=x^2+2 y^2」と入力すると、次のような結果が表示される。

バックグランドで Mathematica が動いている様子が見て取れる。

数式を扱えるのはほんの一例に過ぎない。
むしろ、自然言語に近い形で問い合わせできることが、Wolfram Alpha の優れた点である。
life expectancy japan 35 year old male」と入力すれば、35歳の日本人男性の平均寿命に関する情報が表とグラフを交えて詳細に表示される。
what is the largest country」と入力すると、国土の面積、GDP、および人口の大きい国が上位5つ表示される。
単なる検索エンジンとは大きく異なることを確認できる。

Wolfram Alpha のWebページは次のとおり。是非、いろいろ試してみよう。

Wolfram Alpha のトップページ
http://www.wolframalpha.com/

何を入力してよいか悩んでしまう場合は、入力欄右上の「Example」のリンク先に膨大な数の入力例があるので、まずはこれらを試してみると面白い。新しい発見がたくさんある。

ところで、Wolfram Research社の創業者であるStephen Wolfram氏の経歴はすごい。

15歳にして素粒子論の学術論文を執筆し、オックスフォード大学を17歳で卒業。その後カリフォルニア工科大学CalTech)に進み、高エネルギー物理学、場の理論宇宙論の研究を行った。20歳で理論物理学の研究により、カリフォルニア工科大学においてPh.D. の学位を取得。

Wikipediaより

次のような「逸話」も興味深い。

ノーベル物理学賞受賞者のリチャード・P・ファインマンをして、「カリフォルニア工科大学で次にノーベル物理学賞を受賞するのは彼だ」と言わしめた。
・数式処理ソフトを作成した理由は、場の理論の計算があまりに複雑だからだったらしい。

このような才能を持つ彼が、過去にTEDでスピーチを行っている。
「万物の理論を計算する」と題する、彼のスピーチを是非見ていただきたい。

■Stephen Wolfram氏のTEDでのスピーチ(日本語字幕)
http://www.ted.com/talks/lang/jpn/stephen_wolfram_computing_a_theory_of_everything.html

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英語(リスニング)の学習: TED

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