ガボール・フィルタ(Gabor Filter)
ここで説明するガボール・フィルタは、画像処理で用いられる各種画像フィルタの1つ。
■ 画像フィルタって?
画像を構成する各画素の値に、特定の処理を施すことで、画像の処理を行うもの。
詳しくは、こちらがわかりやすい。
・フィルター処理 http://www.gifu-nct.ac.jp/elec/yamada/iwata/filter/index.html
■ ガボール・フィルタってどんなもの?
英語版WikipediaでGabor Filterの適用例として紹介されているのが下の図。
http://en.wikipedia.org/wiki/Gabor_filter
左上の「惑」という漢字に、異なる向きのガボール・フィルタを適用した結果が、中央列と右列。
そう、ガボール・フィルタには向きという概念がある。
上の図をよく見ると、次のような特徴がある。
・上段中央は、縦の線が明るく見える。
・下段中央は、横の線が明るく見える。
・上段右は、右上方向の斜めの線(/)が明るく見える。
・下段右は、右下方向の斜めの線(\)が明るく見える。
(上記4つの画像を組み合わせたものが左下の画像)
このように、ガボール・フィルタは
「画像中にどの向きの線が含まれているかを抽出できるフィルタ」
である。
■ ガボール・フィルタをより詳しく
ガボール・フィルタは、次の式のように「正弦波」と「ガウス関数」の積として定義される。
ここで w(t)がガウス関数(よくある釣鐘型の関数)で、s(t)が正弦波を表す(指数表現されている)。
直観的なイメージは次のような感じ。
(図の出展:http://fussy.web.fc2.com/algo/algo12-2.htm)
このような1次元の場合、正弦波の周期、位相のずれ、式の定数kが、パラメータとなる。
2次元にした場合は、2次元平面での正弦波の進む「向き」もパラメータとなる。
次のようなイメージ。
(図の出展:http://fussy.web.fc2.com/algo/algo12-2.htm)
このようなフィルタを画像に適用することで、画像中に含まれる輪郭の「向き」を抽出できる。
詳しくは
・画像処理 (2) ガボール・フィルタ http://fussy.web.fc2.com/algo/algo12-2.htm
・Konstantinos G. Derpanis, Gabor, filters http://www.cse.yorku.ca/~kosta/CompVis_Notes/gabor_filters.pdf
・Javier R. Movellan, Tutorial on Gabor Filters, http://mplab.ucsd.edu/tutorials/gabor.pdf
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