トポロジーとホモロジー群

ホモロジー群について、とてもわかりやすく解説しているスライドを見つけた。
広島大学の平岡先生によるものだ。

ホモロジー群とその応用 (平岡 裕章 | 広島大学理学研究科)
http://www2.math.kyushu-u.ac.jp/~hiraoka/applied_homology_for_non_math.pdf


今まで、トポロジーに関する分野は漠然とした知識しかなくて、参考書をいくつか買ってみたりしたものの、
いまひとつ何をする学問なのかわからずにいた。

だけど、このスライドはすごい。本当に初学者向けにわかりやすく書かれて、今までの疑問がかなり晴れてスッキリとした。
これはお勧めだ。

参考までに、冒頭の導入部分のスライドを紹介してみる。






何かを学問の対象とする場合、まずは、その対象を分類することを試みる。

分類するためには、「これとこれは同じ」「これとこれは違う」と区別するための基準が必要だ。

この基準に用いられるものを「不変量」と呼ぶ。

スライドで紹介されている例では、三角形が合同であるかどうか判別するためには「3辺の長さ」が不変量として用いられ、三角形が相似であるかどうかを判別するためには「2組の角」が不変量として用いられる。
これ以外にも、たとえば曲線、曲面の分野においては「曲率」や「ガウス曲率」が不変量として用いられ、それらを表す式を導出することがテーマとなる。

さて、トポロジーの分野では、この基準に用いられる「不変量」が「穴の数」である。
3次元の図形までは、「穴の数」と言っただけで、なんとなくイメージがわくけど、「高次元の図形(例えば10次元の図形)の穴」と言われてもピンとこない。

なので、この「穴の数」というものを、きちんと式で表せるようにしましょう。ということがトポロジーのテーマとなる。そして、その時に出てくる代数系が「群」の性質を持っていて、それをホモロジー群と呼ぶ。

この、トポロジーという形の性質を式で表せると、式の操作でいろいろな性質を見つけ出し、理論を発展させることができるようになる(これは他の分野でも同じこと)。

トポロジー:柔らかい幾何学

トポロジー:柔らかい幾何学

トポロジー―基礎と方法 (ちくま学芸文庫)

トポロジー―基礎と方法 (ちくま学芸文庫)