ネイピア数

次の記事がとても面白い。

クレオパトラの最後の吐息の一部を今あなたが吸い込む確率に驚くべき | 読書猿Classic: between / beyond readers
http://readingmonkey.blog45.fc2.com/blog-entry-632.html

読書猿氏のエントリは、1つ1つがとても丁寧に書かれていて内容が濃い。
最近はとくに数学の話題が多いので、楽しく読ませてもらっている。

上記のエントリでも、確率の計算によって、
クレオパトラの最後の吐息の一部を今あなたが吸い込む確率」が6割以上であることを示している。
詳しくは是非エントリの内容を読んでほしい。


この確率の計算に使われているものが次式。

これを計算した結果が0.3678..になる。

10^{22}という、とてつもなく大きな値が登場するが、
上記エントリの(補記)にもあるように、極限の計算で次式が成り立つことが知られているため、
1/e = 0.3678....に近い値になるだろうことは、実際に計算しなくても予測できる。

ここでは、この式が成り立つことを示してみる。

そもそも、ネイピア数 e は次式で定義される。

式(1)の左辺を変形していく。

ここで、左側の極限は 1/e になり、右側の極限は 1 になる。
よって式(1)が成り立つことが示せた。


このことから次のようなことが言える。

x分の一の確率で当たるくじをx回ひいたとき(ただし、ひいたくじは毎回もとに戻すとする)、xの値が十分に大きければ、1回も当たらない確率は0.367程度であろうと予測できる。


参考:
確率 1/10 で当たるんなら 10 回やれば当たる? | Saji's web site
http://www.math.kobe-u.ac.jp/HOME/saji/mathyomi/probability.html

e―自然対数の底100万桁表

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数学をいかに使うか (ちくま学芸文庫)

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