線織面と可展面

■ 可展面について

歪みなく平面に展開できる曲面を可展面と言う。
紙を曲げて作ることができる曲面が可展面である。と言うこともできる。

可展面には、柱面、錐面、接線曲面という3種類の曲面がある。平面も可展面の1つである。

可展面は、線織面(ruled surfaceの1つである。

線織面って?


■ 線織面について

線織面とは直線を連続的に移動させた軌跡として得られる曲面のこと。
直線の集合によって作られた面、つまり線が織りなす曲面が線織面である。

線織面は次のような式で表現される。
p(u, v)=\gamma(u)+v \delta(u)
ここで、\gamma(u)は線織面上の曲線(base curve)を表し、\delta(u)は、その曲線上の点を通過する直線の方向ベクトルを表す。
つまり、曲面上の任意の点に対して、その点を通って曲面の上に乗る直線が存在する。

線織面のガウス曲率は、ゼロまたは負の値であり、正の値(例えば球面)になることはない。
線織面のうちガウス曲率がゼロであるものが可展面である。
ガウス曲率が負の線織面の代表例として、Hyperbolic Paraboloid (双曲放物面)がある。下図。

■ 再び可展面について

可展面は線織面に含まれるのであるから、可展面もまた直線要素の集まりで構成される。

柱面は、互いに平行な直線要素の集合によって構成される。
錐面は、1点で交わる直線要素の集合によって構成される。
接線曲面は、3次元曲線の接線の集合によって構成される。

これらのガウス曲率はすべてゼロである。

一般的に、紙を折り曲げて作られる曲面は、柱面、錐面、接線曲面、平面をなめらかに接続したものである。


じっくり学ぶ曲線と曲面―微分幾何学初歩

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曲線の事典 ―性質・歴史・作図法―

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