なぜ数学を勉強するのか

主に大学レベルに絞った数学や、その他学習に関する話題をブログに書き始めて1年半くらい。
エントリ数は190なので、2-3日に1回のペースで公開できていることになる。
幸い、まだ飽きることなく続けられているので、もうしばらくは継続できそうな感じ。

今日は、「なぜ数学を勉強するのか?」という、誰もが一度は疑問に思う内容について、とても印象深い回答を書いているブログを見つけたので紹介する。

■ 問:数学を何故学ぶか? 答:言葉で伝えきれないものを伝えるため/数学となら、できること/図書館となら、できること番外編 (読書猿Classic: between / beyond readers)

ここでは、数学を学ぶ理由は3つあるという。
1つは「具体的なもの」、もう1つは「抽象的なもの」、そしてもう1つ、「少しおかしなもの」。

この中で、とても腑に落ちたのが「具体的なもの」。
数学を学ぶ理由として
「数学を学ぶ理由は、微分方程式の読み書きができるようになるため。」
と言い切っている。さらに、その理由として次のように続く。

科学のミニマムな作業言語だから、できないと入口(力学)でこける。強制振動のところで確実にこける。イメージだけで理解できるほどサイエンスはゆるくありません

http://readingmonkey.blog45.fc2.com/blog-entry-618.html

足し算引き算も、九九も分数も、文字式も方程式も、いろんな関数も、その微分積分も、すべては微分方程式をやるための準備。ベクトルと行列、これらを一般化した線形代数は、線形微分方程式を解くための強力なツールだし、フーリエ変換級数)、ラプラス変換はもともと微分方程式を解くために開発された手法。フーリエ級数の(復元の)一意性の問題から集合論ははじまった。多くの人は準備の途中でやめてしまうから、結局何のために数学を学ぶのか永遠に分からない。

http://readingmonkey.blog45.fc2.com/blog-entry-618.html

なるほどなるほど。
よく聞くような「論理的思考能力を涵養するために必要」という説明ではなくて「微分方程式のためだ」と言い切ってしまうのがすがすがしい。
たしかに、世の中の多くの物理現象は微分方程式で記述される。

こういう発想はなかったので実に新鮮だった。

2つ目の抽象的な理由は、

自然言語では伝えきれないことを伝えるため。

http://readingmonkey.blog45.fc2.com/blog-entry-618.html

ということで、これはまぁ、素直にそうだな、と思う。
3番目の理由は。。

ここでは敢えて引用しない。
とってもカッコよくまとめているので、是非もとのブログを読んでみよう。


数学に限らず、「なぜ勉強するか」ということについては、5年ほど前に公開された次のブログの内容を見て、ずいぶん刺激を受けた記憶がある。

■ 子供の「どうして勉強しなきゃいけないの?」→ 勉強することの具体的で直接的で切実なメリットを説明 (分裂勘違い君劇場)

このエントリでは具体的に次のように紹介されている。

(1)もっと楽しく遊べる

(2)もっと楽しく仕事ができる

(3)もっとすばらしい友達をたくさんつくれる

(4)騙されてひどい目に合いにくくなる

http://d.hatena.ne.jp/fromdusktildawn/20070121/1169414343

これも、もっともで、元のブログでは、それぞれの項目の理由を魅力的な文章で綴っているので、是非読んでみることをおすすめする。
きっと、勉強したくなるに違いない!


さて、本ブログを続けている私自身については、勉強についてどう思っているだろうか。
あまり深く考えずに、いま思っていることを簡単に書くと、次のような感じ。

・私個人については、具体的な理由なく、生涯勉強し続けることが、自然な感じに思っている。このブログは趣味で、他の方に興味を持ってもらえたり、役立ててもらえたり、何らかの刺激を与えられるなら嬉しい。

もう少し、勉強することの価値を考えてみると、次のような感じ。

・数学の勉強も物理の勉強も、その他あらゆる学問も、それを進めることで「過去の偉人たちの成しとげた業績の上に乗っている」という、いわゆる「巨人の肩の上に立つ」我々世代の位置と、人類の連綿と続く学問の歩みを肌で感じられるようになることに価値があるだろうと思う。


世界史 上 (中公文庫 マ 10-3)

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世界史 下 (中公文庫 マ 10-4)

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