ラプラシアン行列

グラフ理論の分野に、ラプラシアン行列(キルヒホッフ行列)と呼ばれるものがある。

これはグラフの構造を行列で表したもので、対角成分で頂点の価数を、その他の成分で隣接関係を表す。

具体的には、成分(i, j)の値は次のように決まる。
・i=j のとき:頂点iに接続する辺の数
・i≠jのとき:頂点iと頂点jが辺でつながっていれば-1。そうでなければ0

Wikipediaに載っている次の具体例がわかりやすい。

何のために、このような行列表現をするのか?

このような行列表現をすると、グラフの性質が行列の性質を通して明らかになるから。

例:値がゼロとなる固有値の数が、Connected componentの数と等しい。(つまり、少なくとも1つの固有値は値がゼロである)
例:全域木の数え上げに使える(External Memory:グラフと線形代数)


ほかにも、3DCGで使われるメッシュモデルの平滑化にも使われる。(nursの日記:離散ラプラシアンメッシュスムージング)

情報科学のためのグラフ理論 (入門 有限・離散の数学)

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