複利の力
複利の力を知っておかなくてはいけない。
1年間に5%の金利が付くとしよう。この場合、「70の法則」のエントリでも紹介したように、14年で元金が2倍に増える。
これだけだとまだ実感がわかないかもしれないが、次の14年でまた倍に増えるのだから28年で4倍になり、42年で8倍。56年で16倍。そして70年では32倍になる。
このような倍々ゲームは70年間の間に何回繰り返されるのだろうか。
これは「70÷2倍になるのに必要な年数…(1)」で表され、70の法則より
「2倍になるのに必要な年数=70÷金利(%)…(2)」であるから、結局(1)と(2)から、パーセントで表した金利の値だけ倍々ゲームが繰り返されることになる。
つまり、金利をR(%)とすると、70年後に元金は倍に増えることになる。
さて、これまでは「金利」というお金の話を対象としてきたが、「70年経つと倍に増える」という事実は年率R%で増える(成長する)ものすべてについてあてはまる。
GDPでも、人口増加率でも構わない。
70年という期間は、ちょうど人の一生と同じくらいである。したがって、次のようなことがわかる。
・GDPが年率4%で成長したとする。すると、今生まれた人が生きている間にGDPは2^4=16倍になる。
・中国のGDPが年率7%で成長したとする。すると、今生まれた人が生きている間に中国のGDPは2^7=128倍になる。
(※ 中国のGDPは10%前後の成長を続けている。)
今月末、世界の人口はちょうど70億人に達するらしい。
12年間で10億人が増えたそうだから、人口の増加率は1%であると見積もれる。
もしこのまま世界の人口が年に1%ずつ増えたとする。すると、今生まれた人が生きている間に、世界の人口は今の2^1=2倍、つまり140億人になる!
(実際には増加率は減少することが予測され、国連人口基金は2100年に100億人になると予測している。)
地球と言う有限の資源に依存するものはどのようなものも、同じ成長率で成長を続けることはできない。いずれ、なんらかの要因で成長が停止せざるをえなくなる局面が訪れる。
成長することを前提に作られた制度はいずれ破たんする。
次のムービーがお勧め。
■The Most IMPORTANT Video You'll Ever See
http://www.youtube.com/watch?v=F-QA2rkpBSY
関連エントリ
・人口推計(統計局ホームページ)
・70の法則、72の法則
- 作者: 小峰隆夫,日本経済研究センター
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2007/10
- メディア: 単行本
- 購入: 3人 クリック: 10回
- この商品を含むブログ (12件) を見る
人口学への招待―少子・高齢化はどこまで解明されたか (中公新書)
- 作者: 河野稠果
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2007/08/01
- メディア: 新書
- 購入: 6人 クリック: 127回
- この商品を含むブログ (39件) を見る