物理の学習: 原子炉理論(東京工業大学)
東京工業大学がオープンコースウェアに本腰を入れている。
現在「786講義ノートを公開中」で、そのボリュームはかなりもの。
この公開されているノート数は少しずつ増加している。
■東京工業大学 Open Course Ware
http://www.ocw.titech.ac.jp/index.php
東京工業大学なので、もちろん工学部の講義が中心となっている。現在、工学部では360の講義ノートが公開されている。
工学系の科目が幅広く網羅され、その一覧はなかなかの圧巻だ。
それぞれの科目について、講義ノートという名前でPDF形式の講義資料が公開されている。
興味を惹いたものを手当たり次第に見て行くだけで、かなり楽しめ、またよい勉強になる。
(しかし、中には中身がからっぽに等しいものもあって、当たりはずれがある。)
トップページにはアクセスランキングが表示されていて、現在は「原子炉理論」がトップとなっている。
この内容について、簡単に紹介しよう。
講義ノートには15回分のPDFファイルが存在するが、どれも同じものだった。
テキスト冒頭の概説では、次のようにテキストを紹介している。
初めて原子力を学ぶ学生を対象にして、原子炉とはいかなる原理でエネルギーを発生するのかといったことを中心に解説したものである。
このため、歴史や核物理といったところにかなりページを割いている。
全体を通してテキストが非常に充実していて、原子炉の初学者に対する読み物として捉えることもできる。
まず、原子核物理と中性子工学の歴史について記した「序」だけでも、読んでみるとよい。
原子力に関する技術の進展の速さに驚かされる。
1932年に中性子が発見され、1939年に核分裂が発見された。
そのわずか数年後には原子爆弾が開発されている。
そして、今では我々の生活に無くてはならない電気の供給源となっている。その一方で、目を覆うばかりの原発事故も現在進行形で存在している。。
はたして、この膨大なエネルギーを我々はどのように扱うべきだろうか。人類はこのエネルギーをコントロールできるのだろうか。
科学技術と社会のありようについての議論はテキストの範疇を超えているが、改めて考えさせられるきっかけにはなる。
- 作者: 永江知文,永宮正治,阿部龍蔵,川村清
- 出版社/メーカー: 裳華房
- 発売日: 2000/09/01
- メディア: 単行本
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