モンテカルロ法

モンテカルロ法は、乱数を用いて数学的な問題の解を得る方法だ。
数学という厳密な世界に乱数を用いるという点に違和感を覚えるが、難しい計算の解を簡単な方法で(近似的に)求められる優れた利点がある。

一般によく知られるのは、次の図のように単位正方形の領域にランダムな点を打ち、円の中に含まれる点の数の比率を得ることで、円周率を求めるものだろう。


モンテカルロ法による円周率の計算

この例があまりに一般的に用いられるため、他の目的でモンテカルロ法を使用する例を知らない、という状況が起こりうる。

実はモンテカルロ法は非常に便利で様々な場所に活用できる。シュレディンガー方程式逆行列偏微分方程式の解法にも用いることができる。
さらに、近年ではコンピュータグラフィックスでリアルな映像を得るために用いられる「レイトレーシング」の分野でも、このモンテカルロ法が広く用いられている。

このモンテカルロ法について、日本語でわかりやすくまとめた書籍「モンテカルロ法(宮武修、中山隆著)」の全文が、次のURLでPDFで公開されている。

http://www.sci.kagoshima-u.ac.jp/~ebqc/miyatake01/
1960年出版ということで、かなり古いが、モンテカルロ法の可能性を知る上で役に立つ。

この著者である宮武修教授による「乱数とモンテカルロ法」が2007年に新しく出版されている。

乱数とモンテカルロ法 POD版

乱数とモンテカルロ法 POD版


モンテカルロ法の金融工学への応用 (シリーズ 現代金融工学)

モンテカルロ法の金融工学への応用 (シリーズ 現代金融工学)